2011年3月11日、未曽有の大震災が起きたとき。
私は震源地から遠く離れた西日本の片田舎に暮らしていて直接被害を受けたわけではないけど、それでもあの日のことはいまだに鮮明に覚えています。
テレビはどのチャンネルも震災のニュースだけを映し、合間になんだか間抜けなACジャパンのCMが繰り返し流れる異様な光景。
ちょうど大学受験の年で、後期日程を控えて東日本入りしていた同級生も大勢いて、みんなの無事が分かるまで生きた心地がしませんでした。
あの日から12年経った今でも故郷に帰れない人がいて、どれだけ年月が経っても家族や大切な人を失った悲しみが癒えないままでいる。
どんなに想像力を働かせても同じ立場にはなれなくて、今でも自分には何ができるのか答えが出ないままです。
そんな中、Twitterでフォローしている好きな漫画家さんが、被災地に赴き見聞きしたことを漫画に書き残した作品があるとのことで購入しました。
現地取材をし漫画に描き残すことで“語り部“的役割ができないか、と参加した一冊です。本書の印税は全額復興のために寄付されます。
漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311 https://t.co/Kv9QeLVOtd— おかざき真里 (@cafemari) March 11, 2023
10名の漫画家たちがそれぞれ被災された方に話を聞き、書き起こしたもの。
印税は全額復興のために寄付されるとのことで、被災地に思いを馳せることと募金することの2つの意味があると思います。
中でも印象的だったのは「元々いろいろだったのをもっといろいろにしてしまったのがあの震災です」という言葉。
被災された方の中でも意識の相違があって、いろんな葛藤がある、という当たり前のことを改めて認識することができました。
『漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311』
震災を風化させないために多くの方に届いてほしい作品です。